あたしの仮旦那は兄貴の親友
「果恋ちゃん? もしかして聞いてた?」

居間のドアがゆっくり開くと
あいつが驚いた顔であたしを見ていた

「あ…あ、うん」

「そっか。元カノなんだ」

「ん、知ってる」

「え?」

「今朝…会ったんだ」

「もしかして遅刻の原因って」

「話がしたいって言われて
妊娠してるって言われたんだ
2カ月で、相手はあんただって
今夜、あんたに話すからよろしくねって
釘をさされた」

「だから僕が帰って来たときに
そわそわしてたんだ」

納得した表情になると
あいつがぎゅうっとあたしに抱きついた

「ごめん、不安にさせて
でも、大丈夫だから
美雪の妊娠は僕のせいじゃないんだ」

「どうしてそうはっきり言えるんだよ」

「簡単だよ
妊娠で結婚を迫られたくないから
エッチはしても
妊娠しないように気をつけてた」

本命…だったんじゃないのか?

違うのか?

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