あたしの仮旦那は兄貴の親友
「あの…すみません」

歩道であたしは一人の男性に
声をかけられた

「はい?」と顔をあげると
目の前に地図があった

「ここに行きたいんですけど」

「ええっと」

あたしは地図を覗きこんで
現在位置と
目的地を交互に見やった

「この道を真っ直ぐに行って…」

「あ、ちょっと待ってください
私じゃわからないので
直接運転手に説明してもらえますか?」

「あ、はい」

あたしは男性と一緒に
歩道に寄せて停めてある車に近づいた

助手席のウインドーが開くと
あたしは口を開く

…が

ガツンと後頭部に打撃が走り
意識が遠くなった


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