パステルクレヨン


ヒカルくんと別れて、いつもの交差点を渡る。


いつもはここで玉置と別れるけど、今日は1人だからこのまま家に帰る。



あたしの小さな身長でも吸える、精一杯の空気を吸って、カバンを抱え込みながら歩く。



…交差点を渡り終わったところで学生とすれ違い、視界に入った見たことのある制服を二度見した。



あ、L高だ。


頭いいんだナー。


すれ違ったときに一瞬ふわっと香った匂いは、なぜか安心するような、懐かしい匂い。



……明日は、玉置に、会えるかな。



色んな玉置が見たい。


色んな玉置を知りたい。


色んな玉置を感じて、玉置をもっともっと好きになりたい。



それでも、玉置の全ては分からないから。


分からないから、分かりたい。





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