パステルクレヨン


「淫乱ーーーーー!!!卑猥ーー!!!」


こんなことを大声で言っている自分が一番卑猥なのに気付かないあたしを、ヒロコは止めるでもなく話し続ける。



「ホテルくらい行くよ、会社員なんだからさ、仕事忙しくて欲求不満にもなるよ。てかたぶんこんなオーバーリアクションなの、杏樹だけ」


「えーーー!!!」


ヒロコは、おもむろにチハルちゃんを呼ぶ。


玉置が前にうちの学校の校門に来た時、玉置をカッコいいといっていた子だ。



「チハルー、ホテル行ったことある?」


「えーあるよー、前に彼氏と一回だけ。最後までイケなかったけど」


チハルちゃんは普通にニッコリと答える。


「い……いけ…イケなかった、って…」





< 34 / 68 >

この作品をシェア

pagetop