パステルクレヨン
愛されたいお年頃
Ⅰ
翌日も、その翌日も。
あたしはまた図書館に行っていた。
その小さな人のいない図書館でも、日曜日は満席になる。
ちょっと寝坊したあたしは危うく満席になるところだった。
「ヒカルくん、オハヨ」
小さな声でそう呟きながら、あたしの目は玉置を探していた。
今日も、玉置がいない。
まぁ別にいいんだけど。
玉置がいた方が、ちょっと自分に強くなれるだけで。
ヒカルくんの隣の席が空いていたので、そこに座らせてもらう。
「早瀬も、頑張ってるよな」
「うん」
と、答えてふと思った。
玉置と一緒の大学に行きたいと思ったから頑張ってたけど。
それじゃいつまでたっても玉置と離れられない。
やっぱりあたしは、あたしのために頑張ろう。