パステルクレヨン
「早瀬、待っててよ、俺が強くなるまで」
「待ってるよっ」
当たり前だ。
あたしは、見捨てたりなんかしないよ。
そんなの、当たり前だ。
「あたし、絶対、約束する。 働いて海外に行くことがあっても、おばあちゃんになっても。 絶対、玉置のこと、ずっと好きだよ」
昔から、思ってたんだもの。
6年も見てきたんだもの。
今さらこの想いをどうする訳じゃなくて。
玉置の満足のいくように、一生幸せでいられるように。
あたしは、あたしだけは、願ってるから。
「ふ…サンキュ。 俺、男には、勝負しなきゃいけないときがあると、思ってるから」
気付いたら、玉置の後ろで走っていた車などの雑音はもう、聞こえなくなっていた。
静かな場所に、2人きりな気がした。
「俺、それが今だって、分かってるから」