ただ、大好きでした。



ふいに


「やっべ!シャーペン忘れた〜」


って、控えめな大声が聞こえてきてびっくりして顔を向けたら



第一印象最悪のアイツが、笑ってた。


友達に囲まれて。




もぉ あたしからすれば天と地がひっくり返るくらい予想してなかったこと。



いい意味で、


簡単に裏切られた。




人って見掛けによらないんだね。




すごく話してみたくなって、あたしの口から出た言葉は



「ん、貸してあげる。」



死ぬほどぶっきらぼうで、



怖いくらい、

低くて太い声だった。




小さい頃から『人懐っこいね』だとか『明るいね』って言われてたあたしからしたら、



考えられないこと。




自分でも分かるくらい


サーッと血の気が引いた。







< 4 / 218 >

この作品をシェア

pagetop