モノクロ
「別にいいじゃん。チビ冬香」
彼はあっけらかんかんとした様子で言い放った。
「んなッ!!!」
私は驚いて彼を見上げて睨みつける
「あの、こないだから思ったんですけど、名前も知らない相手にチビとかいうの・・・少し失礼じゃないですか?!」
「想」
私は彼を睨みつけて、言い放った言葉に瞬時に帰ってくる言葉。
「へ?」
私はバカっぽい言葉を上げて彼の顔をまじまじ眺めた。
「だから想。俺の名前」
彼は少し口の端をあげて笑いエレベーターのドアを閉めた。
やっぱり・・・想って名前だったんだ。
私は持っていたスクバをギュッと握り締めた。
「俺の名前分かっただろ?チビ冬香。」
彼はそういって面白いものを見るような目で私をみながら背をむけた。
「失礼ですよ。しかもあなたみたいな有名な人がどうして私なんか構うんですか。私は男の人が嫌いなんです。ほっといてください」
私は彼を睨みつけながら、外に目をやった。