モノクロ
「目、逸らそうとしてんじゃねーよ」
想の声がすぐ耳元で聞こえる。
「・・・・近いッ!!!」
私は突き飛ばそうとして想の胸を押すがビクともしない。
「ちっせぇ。お前手もちっちゃいのな」
私は顔が赤くなるのが自分でも分かった。
「顔、ちょー真っ赤」
彼はケラケラ笑ってる。
どうしよ・・・
恥ずかしい!!!
「お前・・・キスしたことある?」
彼は突然私に聞いてきた。
「・・・あるもん」
私は言った。
モチロンそんな経験ない。
むしろ手も繋いだことも、こんな風に距離が近いのだって初めてだ。