‐クサリ‐
 
 
 
「そうだなぁ…3万でどう?」


「……前払いね」


あたしは左手の平を突き出した


「ハハ。はっきりしてんね。名前はなんての?」


怪しげな笑みを浮かべながら男は一万円札を3枚乗せた  


「1回抱くだけなんだから名前なんて教えなくてイイでしょ。好きに呼んで」


あたしは札を無造作に財布に絞まった




こから先はうろ覚え。確かなのは今ラブホで男に覆いかぶさられているとゆうこと。



「ミユキ…俺もうヤバイかも...」

この男はあたしをミユキと呼んだ。
そして荒い吐息とともに男は果てた。




あたしは男がイク時の顔を見るのが好き。決して変な意味ではなく、自分の存在を認めてもらったような…安堵感に浸れるから



「ねぇ、また逢える?」




「会えない。」



「そう言うと思った。どうして?」




「だから、セフレは要らないの」




「じゃあさ…俺が君の"恋人"になってあげる・・・」



男はあたしにキスをした




唇と唇が離れ、至近距離であたしを見つめる瞳。


この瞳を見て、"アノキオク"が頭を駆け巡った
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