‐クサリ‐
〜5年前
中1の冬


“今日からこの人が里緒菜のお父さんだからね”


"え……?"


『よろしくね。リオナちゃん』


"オトウサン"はにっこり笑ってあたしの頭を撫でた



本当のお父さんは、あたしが小3の時にビルから飛び降り自殺。原因は不明。


死ぬ1日前までは何にも変わりなかったクセに


死ぬ間際に〈ごめんな〉なんてお母さんに電話して一方的に通話を切って…
それがお父さんの最後の言葉。



お父さんが死んでからお母さんは変わってしまった


化粧も濃くなり、服のセンスも何もかも変わってしまった



夜になると毎晩といってイイ程男が来て…お母さんはコッソリ入れていたつもりだったかもしれないが、バレバレだった


そして何をしているのかも、幼心になんとなく解っていた――。




『―里緒菜?』

お母さんに問い掛けられ、我に帰る。



「ハハ。まだ頭が混乱してるんだよ。少しずつ慣れてもらうさ」

オトウサンは笑った。



「………。」
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