いつもここにいて。
透明人間?
ある朝、不思議な男に出会った。
彼はいきなり、私にこう言った。

「君、いつも悲しい顔してるね」

…何、この人!?

不審に思った。
こんな人知らないし…
いつもって、いつも私を見てるってこと!?ストーカー!?

私は無視して通り過ぎようと思った。すると男は私の前に立ちはだかった。

「な、何なんですか!?」

「君は悩み事がある。君の瞳はいつも泣いている」

「はぁ!?」

ますます不審に思った。

「会ったばかりでどうしてそんなこと言うんですか!?失礼じゃない!警報機鳴らしますよ!」

「いいよ。僕の姿は君にしか見えない」

透明人間だとでも言うのか。そんな作り話…
私は構わず警報機を鳴らした。
通りすがりの人々がこっちを見ている。

「た、助けてください!変質者です!」

ひとりのおばあさんが駆け寄って来てくれた。

「どうしたの!?」

「この人、変なんです!」

「誰だい?…どこにいるんだ?」

「この人…、この人ですっ!」

私は男の袖を掴んでおばあさんに見せた。

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