いつもここにいて。
正体
―ブォーン…


「来たみたいだよ」

「やだもう…、行くのやめようかなっ…」

「何言ってんだよ、たまきはいつもそうやってすぐ諦めるからいけないんだよ」

「だって…」

「大丈夫。そのくせ毛もかわいいから!…ほら、待たせたら悪いよ」

「う~…」

大急ぎで服だけ着替えた。
でも気になるなぁ、このくせ毛…


玄関のドアの前まで行き、立ち止まった。
緊張して心臓が壊れそう…

―ポンッ

「気楽にいけばいいんだよ!」

「…うん!」

マコトに背中を押され、なんか急に、本当にラクになった。


「…おはよう!」

「おう、これかぶってな。今日のために用意したんだ」

「本当に!?ありがとう…!」

信太郎くんが私のために、ヘルメットを…!
私のために…!


「しっかりつかまらないと落ちるぞ」

「う…うん」

しっかりと…
信太郎くんに…

嬉し過ぎて死んじゃいそう…!



「着いたよ」

「え…ああっ本当だ!ごめん…」

ボーッとしていて、いつまでも信太郎くんにしがみついていた。
ああもう、私ってば………

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