いつもここにいて。
「ふぅん、ここが水族館か。僕も初めて来た」

いきなりマコトが現れた。

「マコト!ついてきたの!?」

「え、なんか言った?」

「あ…、な、なんでもないよ!」


「あんまり僕に話しかけるとヘンに思われるよ。僕のことは気にしないで」

「………」

と言われても…


「人が多いな。はぐれるといけないから手つなごうか」

「う…うん!」

うそ~…
何これ…、本当にデートみたい…!!!


こうして私たちはずっと手をつないで、水族館を見て回った。
もう、マコトがついてきていることもすっかり忘れてた。
周りは何も…
私の目は魚でさえすり抜けていた。
信太郎くんしか見えていなかった。


時間は過ぎ、あっという間に日が暮れた。

「今日は本当にありがとう!すごく楽しかった!」

「俺も。じゃ、また学校でな」

信太郎くんは帰っていった。
私はいつまでも、帰ってく後ろ姿を見送っていた。
姿が見えなくなっても…


「たまき、こんなところで何ボーッとしてるんだ?」

「お父さんっ、おかえりなさい!…別になんでもないよ!あーおなかすいたぁ」

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