いつもここにいて。
「たまきにはお兄ちゃんがいたの。…そういうこと!さっ、早く片付けないと」


まことって…
もしかして、マコト…!?
マコトは私の…死んだお兄ちゃん…!?


「ちょっ…、たまき!?」

私は頭が真っ白になり、片付けのことなんか忘れて倉庫を飛び出た。



「マコトー!どこにいるの!?…マコトっ」

なんだか急に悲しくなって、涙がぼろぼろ出てきた…。

「泣くなー!!!」

「ひぃぃぃっ!い、いきなり大きな声でびっくりした…」

この…、不思議な透明人間が私の…

「お兄ちゃん……?」

「…そうだよ。バレてしまったら…もうお別れだね」

「どうして!?」

「僕はこの世に存在しないから」

「うそ、そこにいるじゃん…!」

「…僕はずっとたまきのことを見守ってきたけど、たまきがあまりにも消極的で、見るに見兼ねて神様に条件付きで力を授かったんだ。あくまで僕は透明人間で、霊界の者であることがばれないように、と…」

「じゃ、私何も知らなかったことに…」

マコトは首を振った。

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