いつもここにいて。
「そんな…。ずっとそばにいてほしいよ…。私ずっと一人っ子だと思って、すごく寂しくて…」

マコトは何も応えなかった。

「………っ」

「…泣くなって。…たまきにも僕の姿は見えなくなるし、力を貸すこともできないけど、僕は今まで通り、たまきのそばにいる。たまきのことずっと見守ってる」

「やだよぅ…、私マコトがいなかったらまた何もできなくなるよ…」

「そんなことない。言っただろ。たまきが積極的に行動できたのは、たまきの眠っていた力だって。僕はそれを引き出す手助けをしただけだって。たまきは本当は強いんだよ」

「う～………」

泣いたりしたらマコトを困らせるだけだって分かっていた。
だけど涙がとまらなくて…

涙のせいなのか、マコトがぼんやりとして見える…。
…だんだんひどくなってきた。

…消えかけてる！？

「こんなところにいた。たまき！なんで途中でやめるの……、あんた泣いてるの！？」

母が倉庫から出てきた。

「め…目にゴミが入って…」

うっすらと、マコトが母に抱き付いているのが見えた。
マコトは…母に甘える事も出来なかったんだ…。

< 21 / 25 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop