いつもここにいて。
「早川さん、ダンスうまいんだねー」

「頭もいいし」

「今までは爪を隠してたんだねー」

「あ、今日はパン屋さんが来る日だ。早川さん、一緒に食べない?」


消極的な性格は、好きな人に話しかけられないだけでなく、友達をつくることも出来なかった。

お昼も、高校生になってから、昨日まではずっと一人だった。

積極的になるって…
素晴らしい!
…かも。


「マコトも食べる?おいしいよ」

「僕は…食事は摂らない主義なんだ」

「そうなの?これおいしいのに…」

「…誰としゃべってるの?」

「えっ、あ…、独り言!」

そうだった。
マコトは私にしか見えないんだった。うかつにしゃべると変人だと思われちゃう!


午後の授業も、私はマコトのおかげで大活躍だった。

…なんだか、自信がついてきた!


「マコト、今日はありがとう!」

「僕は、元々君の中にある潜在能力を引き出しただけだよ。それに…」

「早川さん、ちょっと」

クラスメイトの女子が3人、話しかけてきた。
そして、トイレに誘われた。

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