LIVE −自分らしく−
ギターを置いた彼女が

僕の方を見ながら

聞いてきた



「どう?これが私が
歌いたい歌…
今までとは全然違うから
ビックリしたでしょ?」



っと…



僕は笑顔でそれに答えた…



「うん…全然違うねっ…
でも…僕も
今の方が好きだよっ!
茉莉さんもスゴい輝いてて…」


それを聞いた彼女は…

ホッとした様な表情で

ニコッと微笑んだ…



そして彼女は言った…



「もちろん今までのバンド
も好きなんだけど…
こっちの方が自然なんだよね…やっと自分の殻を
破ることができた…」



そう言う彼女の瞳には…

うっすらと…涙が…

浮かんでいた…



その後…

しばらく景色を見ながら

語り合った…



っと言っても


ほとんど彼女が話すのを

聞いていただけだが…



彼女の楽しそうに熱く

語る顔を見ていると…

それだけで良かった…



こうして彼女のそばで…

笑顔が見れて…

声が聞けて…

同じ空気を吸う…



このまま時が

止まってしまえば

いいのに…

っとさえ思ってしまう……



だが…



無情にも時は

一瞬で過ぎてしまう…


僕達は車に乗り込み…

山を下った…



駅まで徒歩で

来ていた彼女を

家の近くまで送り…


僕も家路についた…
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