LIVE −自分らしく−
彼女を送った後…

まだライブまでは

時間があった…



僕はしばらく

時間を潰し…

ライブの時間まで

待っていた…



時間になり

ライブハウスに行くと…

すでにホールは

埋まっていた…



僕はやはりいつもの

場所に立ち

始まるのを待った…



少ししていよいよ

最後のライブが

始まった…



いつものように

ライブは進み

いつものように

最後の曲まで

歌い上げた



…だが…



最後の挨拶をする彼女は

いつもとは違った…



最後の最後まで

イメージを崩さずに

ステージに立ち

幕を下ろすと誰もが

思っていたはずだ



だが…



ステージの上の

彼女の目には

涙が浮かんでいた…



彼女はみんなに

語りかけた…



「最後までイメージを
崩したくなかったけど…
少し崩してしまいます…
これで卒業です!
だから最後にもう一曲だけ
歌わせて欲しい…
どうかな?」



その彼女の言葉に

みんなが拍手で応えた…



中には彼女につられたのか

涙を流す人もいた…



そして彼女は続けた…



「これからの私を
見てもらいたい…
だからこれから私が
歌っていく歌を歌います…
私なりの卒業ソング…」



そう言うと…

彼女はギターを手に…

歌い出した…
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