美しい名前
それから数日ー


あたしの病状は悪化していた。
食べることもほぼできなくて、点滴とかろうじて飲み物が飲めるくらい。なにも考えたくなかった。



あたし、死ぬかもー

ふとした瞬間、あたしは思った。そしたら、急に楽になって。
苦しくないし、お腹も痛くない。
家族とか夏とか正臣とか、みんなが慌ててるけど、あたしはこれで良かったと思ってる。

「空海!!空海ー!!!!」

みんながあたしの名前を呼んでくれてる。

確かに、17年っていう短い命だったけど、楽しかったし嬉しいこともたくさんあった。
そしてなによりもー


空海というー美しい名前をつけてくれてありがとう。


*END*
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