空模様

やば…
完ぺきに遅れた…

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

「すいません!!遅れました!!」



「市川!!何やってたんだ??」


「青春してましたあ!!」



「よし!!なら座れ!!」



え??いいんだ(笑)



「心衣、何やってたの??」



蕾とは理科の班が一緒だ。



「さっき龍くんに会ったよ!!名前は朝倉 龍だった!!」



「え!?話したの??いーなー!!」



「階段から落ちたところを見られて笑われた…」



「心衣、ﾄﾞｼﾞだもんねえ…!!」



「うるさいっ!!」



話してたら5時間目なんかあっという間に終わった。

教室に戻る時、あたしは急に立ち止まった。



侑也くん…と亜唯…!?



あたしの視線の先では侑也くんと亜唯が仲良くお喋りしてる。



それを見ていたあたしに、あたしが侑也くんを好きなことを知らない蕾は

「あの2人、最近仲いいよねー!!美男美女だしお似合いだと思わない??」



「う…うんっ…そうだねっ!!」



あたしは自分の気持ちを隠すように答えた。



でも蕾のその言葉が痛い程身にしみた。



亜唯と話してる時の侑也くんの顔は今まで見たことのない優しい顔だった。






その日から、亜唯と侑也くんが一緒にいるのをよく見るようになった。