空模様

-想い-

「おはようございまーす。」

中学校にも慣れ始めた雨の日の朝。

昨日集める集金を忘れたあたしは、職員室まで取りに行った。



「市川、ついでにこれ教室に持ってってくれないか??」

と言って目の前にあるクラス全員分のノートを指差す先生。


「はーい、分かりましたー。」

あたしはノートの束に手をかけた。



重っ!!


こんなん女の子に1人で持てってゆーの??

これで階段を登るのはキツいでしょ。


嫌々階段に足をかけたとき、あたしの後ろから、

「心衣ー!!」

あたしの後ろから声がした。

「おはよ!!」

振り返ると少し肩を濡らした龍くんがたっていた。

「おはよー!!」

「朝から雨ってやんなるよな!!」

「傘持ってなかったの??」

「ん??あるよ。」

「濡れてるじゃん。」

「ああ、差すのめんどくさかった!!」

「何それ??」


「重そうだな。半分持ってやるよ!!」

そういってあたしの腕に抱え込まれているノートを半分つかんだ。


「ありがとー!!」

龍くんって急に変な事言うし、不思議。

だけど優しい。

変なの。

ってあたし何やってんだろ??蕾に怒られちゃうな。
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