空模様
校長先生の話だの注意事項だの、長々と話は続いた。



気持ち悪い…。



そう思ってたら
「解散!!」
と先生の声がかかった。


「心衣ー、行こーぜえ。」

「うっうん。」

「ゆっくりでいーからな??」

そうあたしに優しく言い聞かせた後

「加奈ちゃん、ごめん。俺らゆっくりいくからみんなで先に行ってもらえる??」

「ん…??うん、分かったあ。」

加奈は一瞬不思議そうな顔をしたけど分かってくれた。

ごめんね、加奈…。

蕾は龍を連れて先に行っちゃったみたいだし、あたしは翔ちゃんと2人っきりだ。

あたし達はゆっくり歩き出した。

「ねえ、心衣は龍のこと好きなの??」

「えっ??なんで??」

「最近2人でよくいるから。」

「龍は好きだけど友達として、だよ??」

「ほんとに??」

「うん。」

「ならいいや。」

そう言ってにこっと笑った。

その笑顔はあたしの心臓はギュッとつかんで離さない。心臓が奥まで熱く、痛くなる。キュウゥ…ってしめつけられる。

“好き”

はっきりとそう思えた。いつのまにかあたしの心は翔ちゃんでいっぱいになってたよ。この気持ちは“好き”だよね??

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