空模様

-フタリボッチ-

雨が降ってきた。あたしの心を冷ますように。我慢していた頭の痛みを思い出させる。

「っ!!」

あたしはその場に倒れこんでしまった。

「心衣っ心衣!!」

あたしを呼ぶ翔ちゃんの声がだんだん小さくなる。






「心衣!!」

あたし倒れたんだっけ…。


「しょ…ちゃん…。」

「心衣…??」

「翔ちゃん…ここ…どこ…??」

「雨が強かったから、雨があんまりあたんないとこに移動したんだよ。」

あたし…は??どうやって連れて来たの??

「心衣おんぶしてきたんだぞお。あー重かった!!」

「ひどーい!!」

「嘘、嘘!!…へ……くっしゅん!!」

「翔ちゃん、大丈夫!?」

「ああ、平気平気!!」

あたしが上着かりてるんだもんね。雨の中あたしが目覚ますの待ってたんだもんね。

「あたしのせいだよねっ!!ごめん…。」

「大丈夫だから、心配すんな!!お前の方が心配だから!!」

そういって翔ちゃんはあたしの頭にポンっと手をのせた。

「ごほっごほっ…。」

「翔ちゃん、これ返すっ!!」

あたしは翔ちゃんの黒い上着を差し出した。

「いいよ、ほんとに俺、大丈夫だから…ごほっ。」

「大丈夫じゃないよ!!」

あたしは翔ちゃんのおでこに手を当てた。

「あっついよ!!翔ちゃん熱が…!!」

「気のせいだよ。ほら、集合場所に遅れちゃうから。行こ??」

翔ちゃんは立ち上がった。



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