空模様
グイッ
気づいたら翔ちゃんの腕を引っ張ってた。
「…。」
翔ちゃんは悲しそうに笑って、またさっきと同じ場所に座り込んだ。
雨があたし達の体温を奪ってく。
「…心衣…、もうちょっとこっち来て…。」
翔ちゃんの熱い手があたしの体育着の裾を引っ張る。
「うん…。」
あたしは翔ちゃんと自分の肩に、翔ちゃんの上着をかけて、頭をくっつけて寄り添った。あたし達の体は、芯まで冷え切っていた。
翔ちゃん、怖いよ。
そんなあたしの気持ちを察したかのように、翔ちゃんの大きな手があたしの手を包んだ。
強く握り締めた。
「こーしときゃ、離れねーだろ??」
翔ちゃんと手を繋いでる。たったそれだけだけど、すごくすごくあったかかった。