銭コ乗せ
一息で言い終えると、俺はボスの顔を恐る恐る見上げた。

「…言わせておけば…屁理屈をべらべらと…!!」

ボスの顔は明王のようにこわ張っている。



マジで…



…死ぬ…



…ここまでか!!



「ボス。」

その時、周りを囲んでいる手下の一人が、身を乗り出して口を開いた。

「…なんだ。」

ボスは俺から顔を反らすと、今度は手下を睨みつけた。

手下は慎重に語りだした。

「そいつが言った主人とゆうのは、あの、清水清太郎です。」

「…!!!」

ボスが思わず口を開けた。


「清水が霞み絵之軸、通称カス軸を求めていたことは…事実です…」

「そして、清水の家に入る前、確かにそいつはカス軸を持っていました…!」
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