銭コ乗せ

やべぇ。

マジでやべぇ。

骨董屋を出ると、外はもう暗くなっていた。あと半日もすれば、俺は土中にいるかもしれない。頼りになるのは


掛け軸のみ。

「土ん中はそりゃあ暗いんだろうな…」

いや、いやいやいや!まだ諦めちゃいねぇぜ俺は。

この掛け軸、

一万で売り付けるしかねぇ。

俺は豪邸という豪邸を、手当たり次第訪問した。

「すいません。」

「あっ、うちは間に合ってます。」

「ちょっといいですか。」

「セールスお断り!」

案の定の門前払い。
そんなやりとりを何十件と繰り返しても、諦めるわけにはいかなかった。

俺は絶対、


組織に入るんだ。

そうして迎えた第ウンジュウラウンド。俺の前にはそれはそれは馬鹿デカい豪邸が構えていた。
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