銭コ乗せ
―バシャバシャ―

「た…たすけ…助けてぇ!!」

「おいおっさん!!おめぇなんで溺れてんだよっ!ここは俺の縄張りだぞ!?誰に許可得て溺れてんだコラァ!だいたいこんな時期に…普通溺れねぇだろ!湖、冷たい、これでもうアウトだろうがっ!湖、冷たい、おっさん、溺れる。いや、繋がんない!繋がんないからっ!そんな関連ワード出て来ねぇからっ!グーグル検索でも該当しねぇからっ!あんたホントいい加減にしろよ!?湖におっさんなんかが一人で来んなよ!ロマンティックがぶち壊しなんだよあんたっ!!ロマンのティックが、コラァ!ボケェ!」

俺は、

たまらず怒声をあげた。

―バシャッバシャッ―

「だ…誰か…誰かたすけ…」

残念ながらおっさんは、俺の声を聞く耳なんて、まったく持っていないようだ。
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