銭コ乗せ
「あっ…」

…なるほ…いや、知ってた、もちろん知ってたさ!ただ…9999円の方がお、思い切りがいいだろ?そうさ、この思い切りのよさっ!これは僕の器の大きさを表わしているのであって…

「どうやら痛いとこ突いちゃったみたいだねぇ。あっはっはっ。」

ブチッ…

ブチッブチッ…


こんのぉ…ババアぁがっ!!

「フー…フー…」

「フー…フー…」

僕は荒くなる息を、どうにか整えるのに苦労した。

「よし…よーしよし、仕方ない。君がそう言うのなら…あえてその意見を聞こうじゃないか。それでは、この…一円を、君の、二円と、交換してくれたまえ…!!」

そして袋をまさぐり一円を掴み込むと、それをババアに突き付けてやった。
しょうがない。ここは…バカに合わせてやるしかないんだ…!

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