銭コ乗せ
「別にふざけてなんかないさ。」

ババアの態度は変わらない。

「僕を…誰だかわかってんのか…?」

「はいはい、よぉーくわかってるさ。」

「礼儀も知らない若造だろう?」

…ブチッ

「占うまでもないねぇ。あんた、自分が一番なんて思ってるね。そうして人を見下しては、いい気になっている。他人を信用したことなんて、ないんじゃあないかい?」

…ブチブチッ

「しっかり顔に書いてあるのさ。あんたは懐疑心と軽蔑を、周りに振り撒いてる。そうして自分のワガママ通りにいかない人間に、バカだのコケだの言ってるんだろう?」

…ブチブチブチブチッ

「そんな人間がどうして信用出来るって言うんだい?少なくとも、あたしゃあごめんだね。」

…ブチン。

「もういい…殺すぞ…今すぐ金出しやがれババアぁぁ!」

懐から拳銃を取り出した僕は、この、失礼極まりないクソババアの眉間に銃口を突き付けた。
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