銭コ乗せ
「うーん、なんだかうさんくさいんだよねぇ。」

バカが…

「詐欺するんなら、いかにも、ってのはやめた方がいいよ。」

バカがバカがバカが…

「そんなの騙されるわけねーじゃん。」

バカがバカがバカがバカがバカがバカがバカがバカが…


バカが…


「バァーカァーがぁぁぁー!!!」


コイツらは何を言ってるんだ?

僕が騙す?

バカな。

僕がこんなに頭を下げてるというのに。何を騙すというのだ?僕の善意がわからないというのか?このバカどもは、こんな小さなことも出来ないのか?

もしや…

あのババアの差し金か?

それとも…

アイツか…?


「おっ、あんたかい?お金に困ってるって人は?」

その声に前を注意すると、薄汚いホームレスが、僕の目の前で笑顔を浮かべてる。黄色とヤニ色に染まった身なり相応の歯に、僕は言わずと吐き気を覚えた。
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