銭コ乗せ
「バカどもがぁ!離せぇ!」

必死でしがみつくバカどもは、どうやっても離れはしない。

残りのホームレスは、小銭を再び拾い始めた。

…やめろ。


…やめろ…!!


僕はその金がないと…

…やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ…


「やめてくれぇー!!」




あっと言う間に一枚残らず硬貨を拾い上げると、ホームレスの群集は、逃げるようにその場を去った。あとには破れた布袋と、それを握りしめる僕、そしてそれを哀れそうにジロジロ見る視線だけが残った。

僕は、予感通り、


破滅した。


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