銭コ乗せ
なんでだ…?


わけがわからない…


なんでこんなことが出来るんだ。


あのホームレスにせよ、あの少女にせよ、あの占いのババアにせよ、そしてこの、おっさんにせよ。


バカは、


無意味なことでも、


容易にやってしまう。


僕には、


そんなことは、


簡単には出来ない。



意味もなくふいに、涙がどっと出てきた。
僕はそれを、抑えることが出来なかった。



なんでだ…?



なんでだ…?





わけがわからない…


「なんだお前?そんなに上手かったのか?」

おっさんがアワアワと狼狽する。

「違うな、あまりに不味すぎたんだ。」

誰かがそう言うと周りはドッと賑わった。
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