未来へ
私と同じくらいの年だろうか。制服を着ていた。
くるりと彼はこちらを向いた。


「君、ここで何してるの?」


「な、何してるって……私は…………って、あなたこそ今の、何?!すごくびっくりした…!」

髪からも服からも水が滴り落ちながらも彼はニカッと笑った。

「楽しいよ、これ。気持ちいいし!」

「で、でも、こんなことしてたら危ないんじゃ…!」

「大丈夫大丈夫、この川、岩とか少ないし、溺れない程度に深さあるし!」

「そんな問題じゃなくて………きゃあ!」

言い掛けた所で、彼が思い切り水をかけてきた。

「どう?冷たくて気持ち良くない?」

この人はなんなんだ。
初対面の人間に………。

戸惑っているとまたパシャパシャと水をかけてきた。

髪も制服もびちゃびちゃだ。


「………もう!」


でも、何故か怒りの気持ちは湧いてこなかった。
なんだかどうでも良くなって、私も彼に思い切り水をかけた。
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