雨粒ドロップ

大通りのアスファルトは､先程の通り雨でキラキラと光を反射していた｡
ところどころに水溜まりができていて､道行く人を鏡のように写していた｡



「あｰ!顔がつめてぇ!」
突き刺さる様な冷たさを持った向かい風を受け､頬をピンク色に染めた愛璃は､猛スピードで自転車を走らせる｡
黒く長い髪は踊る様に…
と､いうより暴れる様にたなびいている｡
しかしそんな事を一切気にせず愛璃は自転車を飛ばしていた｡


「ケ―――――キ食うぞケーキ!!」


誕生日パーティーよりもケーキの事しか考えない所が愛璃らしいが｡