雨粒ドロップ
…それにしてもショックだった…
何故あんな子供が探偵なんて名乗っているのだろうか。何か理由があるのだろうか。
まあ只のお遊びとは思えなかったが…
どちらにしろ、衝撃を受けたことに変わりはない。
…まあいいか。
これ以上構う事はない。あんな奴、もう知らない。
門の前に、愛璃の自転車が置いてあった。
どろだらけのはずの自転車は、綺麗に掃除されている。
…どうやら修理もしてくれたらしい。
ふと目を上げると『皓月(こうげつ)探偵社』という看板が。
愛璃はこの看板を怒りを込めて睨んだあと、ゆっくり自転車を漕ぎ出した。
この探偵達との出会いが後に愛璃の人生を大きく変えることになるということに
本人は未だ、気付いていない。