雨粒ドロップ
「…ほんとにありがとう…!」
また泣き出しそうな顔をしながら、雛はそう呟いた。
そしてそのアンクレットを自分の左足に付けると、嬉しそうにほほえんだ。
「すごい似合ってるよ。」
愛璃が微笑みながらそう言うと、雛は更に嬉しそうな顔をする。
(…可愛いな。)
愛璃はその顔を見て、もっと嬉しい気分になる。
「…あっ、そうだ。ここで立ち話するより中入りたいよね。」
雛はふと思い出したようにそう言うと、門を開けた。
「入って!ケーキも用意してあるよ!」
「ケーキ(゚∀゚)!!」
そういや…ケーキの事なんかすっかり忘れてた。
…あンの糞生意気な小僧のせいでッッッッ…
………
…っあ゙ー!!思い出しただけで腹が立っ…
「…?愛璃、どうしたの?」
…はっ!
「なっ何でもねぇよ!
ケーキ食いてぇなあケーキ!あ…あはは!」
雛は心の中を読めるのだろうか。
いつもいつも感情の変化を感じ取られてしまう。
もしや超能力を持っているのでは…と思う程。
今の怒りも…
…きっと気付かれていただろう。
(恐るべし雛の超能力…。)
しかし愛璃は、自分の考えていることがいつも顔に出ているという事には気付いていない。