雨粒ドロップ

「今日‥

雛の誕生日だ!」


忘れてた!と飛び上がったかと思うと、そのまま充電器ごとケータイを鷲掴みにした。

充電器を投げ捨て、ケータイだけ取り出し片手で開く。

ぱっと明るくなった画面には、何処かのロックミュージシャンが映し出されていた。

愛璃は鼻歌を歌いながらアドレス帳を開いて、雛という友達の名前を探りだす。


梶谷雛<カジタニヒナ>

っと。


よく掛けている番号だからか、指が勝手に動くよう。

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