雨粒ドロップ
雛が部屋から出ていった後、2人の間にしばらく沈黙が続いていた。




「…愛璃…?」
脩人はその沈黙に耐えきれなかったのか、ボソッと愛璃の名前を呼んだ。

「…何だよっ」
しかし愛璃はぶっきらぼうに返事をする。
愛璃は親友の雛の誕生日なのに、雛を怒らせてしまった事に対してすごく後悔していたのだ。


「…やっぱ、なんでもない」
脩人は下を向くと、誰にも聞こえない程の小さなため息をもらした。



2人の間には、また長い沈黙が訪れた。
< 41 / 64 >

この作品をシェア

pagetop