雨粒ドロップ
どれくらい時間が経っただろうか。
しばらく、時計の音しか聞こえない程の沈黙が重くのしかかっていた。
「…」
「…」
お互いに何か話したくても、何だか話題が見付からず。
「…なぁ、脩―…
愛璃が名前を呼ぼうとしたその瞬間―
「っ…きゃ―――!!!」
キッチンから物凄い叫び声が聞こえた。
それと共に何か沢山の皿が割れる音が響き渡る。
「っ!?雛?!」
それを聞き付けた愛璃は直ぐ様立ち上がり、ドアを突き飛ばす様に開け、弾丸の様な勢いで部屋から飛び出した。
「おい!待てバカサワ!」
しかし脩人が止めようとした時には、既に見えなくなっていた。