雨粒ドロップ
丁度その時、ガチャっとドアの開く音がした。


「お茶、持って参りました」

銀城が紅茶やクッキーなどを持って戻ってきたらしい。


「おぉっ!クッキー!!」

脩人はそれを見た瞬間、子供の様な笑顔を浮かべて喜んだ。

「お前は…子供か」

珱魅は呆れた顔をしながら、銀城にいれてもらった紅茶をすする。

「お前が言うなお前が」

脩人はクッキーを頬張りながら珱魅に言う。

「いや、それはこっちのセリフだから」

珱魅はそう言ってティーカップを置くと、静かに尋ねた。

「…。で?今日は一体何の用?」

「…あぁ。喜べ。仕事が無くて暇なお前のために仕事持ってきてやったぞ」


「…“仕事が無い”は余計だ。…で?」


「こいつの親友が誘拐された」

脩人は魂が抜けたように大人しくなっている愛璃を指さして言う。

「…誘拐?」
珱魅は怪訝な顔をして聞きかえした。
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