雨粒ドロップ
「しかも犯人がまた厄介でさ…」
脩人は深いため息をついてうつ向くと、ぽつりと呟いた。
「…フライ返し折られた」
「…は?」
珱魅は全く状況が理解出来ていない様子。
「…うん、何でもない。気にしなくていい。…とにかく犯人…奴は人間じゃない」
脩人はうつ向いたまま言う。
「…と、言うと?」
珱魅は何か確信したようにやりと笑う。
「…そう。その予想通りの答えだ。あいつは…」
「天使」
珱魅は紅茶の中に角砂糖を落としながら口を挟んだ。
「…そう。しかも…かなり上級のな」
脩人はそう言うとにやりと笑った。