模擬彼女
僕は右手で目を、左手で口を押さえながら、
ばっと机の下にもぐった。
待てよ?目は隠す必要なくない?
僕右手を下ろすと、もうちょっとでパンツが見えそうな
スカートがあった。僕はもう1回、右手を目に当てた。
ガラガラガラ・・・
来た!!
「・・・ねえあんた、亮君見なかった!?」
「さあ、知りませんけど。」
「そう。」
たったったった、と走っていく音がして僕は机から出た。
「助かったよ、ありが・・・」
「と見せかけてドォォォォォン!!!」
「!!!!!!!」
僕は口を開けて絶句した。
「やっぱり、亮君ここにいたのね?さ、行きましょ。」
く、来るな!
「ねえ、亮君?」
綺麗な声がした。僕はつい、かくまってくれた女子生徒の方を見た。
・・・あれ? 柔ら・・・かいぞ・・・?
僕は、またもや絶句した。
彼女は、自分の唇を、僕のそれにそっと重ねていた。
彼女はキッとストーカー女の方を見た。
「見たでしょ。私達、こういう関係だから。」
僕は、相変わらず口が開いたままだった。
「亮君、彼女はいないって言ってたじゃない!!」
僕も、さっきまでそう思ってました。
「なのに何よ・・・」
「え?何がですか?」
やはり僕は、変な気持ちになっていたのでしょうか。
「何よその、幸せそうな顔は~~~~~~!!!」
ウワーーーーーーーーンと、声を上げて泣きながら、
ストーカー女は走っていってしまった。