君に夢中


「ねぇ、愛~、宏充のどこがいいわけ?」

斜め前に座る彼を横目で見ながら、美和が私の耳元でささやく


「宏充ってさ、いつもぼーっとしてるし。優しいけどさ、何か目立たないしぃ」

「美和っ」


私が怒った口調で言うと、美和は半ば呆れながら

「はいはい、はいはい。王子様はかっこいいですねー」

なんて、何も心のこもってない声で言う



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