君に夢中

そう、王子が両手に持つコップが滑って、あたしの顔と服にジュースがこぼれてしまったの


「愛、本当にごめん。大丈夫か?」


「うん、大丈夫!全然大丈夫!!」

むしろ王子になら何度かけられても大丈夫!

王子にあんな申し訳なさそうな顔させるなんて!

あたしって罪な女ー


でもあの表情も、キュンです!!


「愛、妄想してる場合じゃないって。服シミになってるぞ」

航の言葉にはっとして服を見ると、拭くのが遅かったのか、スカートにしみができていた


「うわ、ほんとだ。愛ごめん、弁償するよ。本当にごめんな」


「え…そんな、弁償だなんて。こんなの平気だよ!」

「いや、でも……」


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