舞蝶.・。*



おふくろは莢を見た瞬間、奥の部屋に布団を引いてくれてタオルを濡らしてくれた。
そして、莢の額にタオル乗せた。

おふくろが「何があったの?」と聞いてきた

俺はみんなに莢の家庭の事と、今日あった出来事を話した


するとおふくろは、泣きだした

みんなは慌てた。
おふくろは、泣きながら莢の頭を撫でた。

「こんなに素直でいい子なのに・・・。
随分。傷ついてきたんだね・・・
こんな小さい体で1人で重荷を背負って。
毎日のように感情を押し殺してた。
押し殺さなきゃ。切りがないからって。
そしたら。
いつの間にか感情がなくなってたんだろうね。
笑うことだって…泣くことだって」

俺はおふくろを尊敬した。
一瞬で、莢の気持ちを分かってくれたおふくろを。

「莢ちゃんの親に会いたい・・・」
おふくろは怒りに満ちた顔で俺を見た。

は?
みんなも唖然としてる。

「明日は?
明日は莢の誕生日パーティーがあるじゃん!!
さすがにそれは出席するでしょ!!」

おふくろは決めたっと言うような顔をした
「あたしも行くわっ!!!
あなた達のお母さん方も、呼びましょ」
そう言って、電話をかけた・・・


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