舞蝶.・。*


すると莢が口を開いた・・・

「…さい。……」

「…何だ?」

おふくろ達も黙った・・・
莢が発した言葉には、いろいろな気持ちが込められていた

「生まれてきて…ゴメンなさい……」

そして、目もとから涙を零した・・・

俺達は、目の前で苦しんでいる莢の・・・
こんな小さな体をしてるのに、莢が抱えてる問題はとてつもなく大きい事に気づかされた・・・

夢でもうなされてるのか・・・

辛い。悲しい。孤独。闇。

「…っ生まれてきて……ゴメンなさいっ…」

泣きじゃくってる莢・・・。

おふくろ達はその様子を見て涙を流した

「莢ちゃんが…こんなに苦しんでるのに……
癒してあげれるのは私たちじゃない・・・」

「…そうね。
あたし達じゃ…何も出来ない・・・。
何もしてあげられない・・・・」

莢。
今までどれだけ孤独な日々を
過ごしてきたんだろう
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