舞蝶.・。*


前のあたしだったら、何も気にする事なかった。
たったの「あっそ…」で済ましてた

だけど・・・。
あたしはもう・・・
感情を取り戻したんだ。

だから、どんどん涙が溢れてくる
気持ちが一緒になって溢れだす・・・。

「ど…して…あ…たしの事……そ…なに嫌うの…?あ…たし……何か…した…?もう…わか…ない。あた…しっ……壊れ…ちゃいそ…で…。も…ぅ。言って…くれない……と。わか…ない。あたしは……あなたの事が…好きな…のに…ど…して……?ワケ分か…んない…。本当に…嫌い…なら、庭に……遊園地…作ったり、プール…作ったり、変な気…使わな…いでよ…」

あたしは、女の言葉にちょっと期待した
“ゴメンね”とか言ってくれるのかも…と思っていた…

「…何?あたしがあんたの飼い主なのよ?
飼ってる気色悪い奴の為に気を使ってやったというのに・・・逆らう気?」

ほら。やっぱり……
あたしの事。どーも思ってないんだ…

「泣いてんじゃないわよ。気持ち悪い…」

そう言って、あたしの髪を引っ張って引きずる女

「イタっ!!痛いっ!放してっ!!!お願いっ!」
こんな手。振り払おうと思えば振り払える。
でも・・・
この人を。あたしの手で傷つけたくない・・・

「気持ち悪い声出すんじゃないわよっ!!!」
あたしの髪を放して、あたしのお腹を蹴ってくる女

「うっ…ヤメテ……おね…がいっ!!!」

―――――バタンっ

「莢っ!!!!!」



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