舞蝶.・。*
「ねぇ。お父さん。“舞蝶”ってわかる?」
あたしは思い切って聞いてみた。
「なんとなく。
でも。とっても強いんだってな。
俺達も簡単に破れるくらいなんだってさ」
やっぱり・・・
「お父さん・・・。
あたしね。その・・・」
「何だ?」
言いづらい・・・。
お父さんは、どう思うのかな?
もしかして…。放れて言っちゃうの?
そんなの嫌。
だけど...。
隠し事をしてる方がもっとイヤ。
言わなきゃ・・・。
「お父さん。
実はね。あたしが…ま、ままま…」
「どうした?」
「あたしが…舞い蝶なのっ!!!」
お父さん...。
吃驚したかな?
いや。いたってふつー。
「それが何だ?」
え・・・?
「知ってたの?」
「もちろん」
「本当に・・・?」
「ああ」