舞蝶.・。*


「ねぇ。お父さん。“舞蝶”ってわかる?」

あたしは思い切って聞いてみた。

「なんとなく。
でも。とっても強いんだってな。
俺達も簡単に破れるくらいなんだってさ」

やっぱり・・・

「お父さん・・・。
あたしね。その・・・」

「何だ?」

言いづらい・・・。
お父さんは、どう思うのかな?
もしかして…。放れて言っちゃうの?

そんなの嫌。
だけど...。
隠し事をしてる方がもっとイヤ。
言わなきゃ・・・。
「お父さん。
実はね。あたしが…ま、ままま…」

「どうした?」
「あたしが…舞い蝶なのっ!!!」

お父さん...。
吃驚したかな?
いや。いたってふつー。
「それが何だ?」

え・・・?
「知ってたの?」
「もちろん」
「本当に・・・?」
「ああ」

< 133 / 229 >

この作品をシェア

pagetop