舞蝶.・。*
犯人の正体.・。*
――夜
みんなは莢の傍で眠りについてる。
俺は病室を抜け出して、売店に向かった。
コーヒーと莢の好きなオレンジジュースを買った。
冷蔵庫に入れとけば、目が覚めた時飲むだろう。
そして、病室に戻った。
――莢が…いない。
みんなは寝てる。
起こしちゃ悪いだろうと思い、俺だけで探すことにした。
俺は屋上に向かった。
すると女の綺麗な歌声が聞こえた。
透き通るような声。
俺は吸い込まれるように、その声の元へ向かった。
綺麗な長い藍色の髪が舞う。
その横顔には涙。
―――あなたへ
ねぇ、どうしてあたしを嫌ったの?
あなたの事嫌いじゃないのに。
あたしを生んでくれてありがとう。
心いっぱいの感謝をしてます。
だから、幸せに暮らしてください。
そして安らかにお眠りください―――
英語で歌ってたけど、意味は分かった。
俺は後ろから抱きしめた。
女は吃驚してたけど、分かったみたい。
「・・・日向」
「なんで、病室から抜け出した?」
「みんなに見られたくなかったから…」
「もう1人じゃないっていったろ?
悲しい事も嬉しい事も。
全部俺に話せって言ったろ?」